山田写真館春秋

山口県美祢市美東町の歴史を四代に亘って見てきた写真館の店主による徒然草

EOS Mを使った実験「高いレンズは本当に写りが良いのか」

さあ、息をつく間もなく本日二回目の更新ですよ。

今回は前述のEOS Mとマウントアダプターを使った
ちょっとしたあそびですよお。

お題は
「高いレンズは本当に写りが良いのか」
です。


世の中カメラのレンズはピンきりでございます。

昨今は技術の向上によってその性能差は縮まってるのかもしれないのですが、
価格差は歴然としてある。

しかし価格差ほどの性能差は本当に出るのか。

当方にはキャノンEFマウントをくっつけたカール・ツァイスとライカのレンズがございます。

はっきり言って、
一般人が買うようなレンズではありません。

それと今回購入したEOS MのセットレンズEF-M 18-55mmを比べてみようという
鬼畜極まりない実験でございます。

内容は簡単。

遠景と近景をそれぞれ撮影してその画像を比べるだけです。

手持ちのレンズは
CANON EF-M 18-55mm 1:3.8-5.6
CARL ZEISS PLANAR 1:1.4/50
LEITZ WETZLER SUMMICRON-R 1:2/35
です。

それぞれで遠景近景を撮影します。
CANONレンズは35mmと50mmを撮影してそれぞれのレンズと比べます。

設定はISO感度100、絞りは遠景でf.8、近景でf.5.6にします。
ホワイトバランスは曇り、色調はナチュラルにします。
保存形式はjpeg。無論三脚に設置して手振れを防止します。

遠景

キャノン35遠景CANON EF-M 18-55 1:3.8-5.6 35mm側

ライカ35遠景LEITZ WETZLER SUMMICRON-R 1:2/35

一目で分かる違いは色の傾向。
ライカの方が少し青くかぶっている印象です。
あと、ライカの方がハイライトが抑えられています。

ef-mとsummicron
これは奥の三本松住宅の屋根の部分を切り取った画像です。

ここまで伸ばすとさすがに両方ともボケてきます。

が、あえて言うならライカの方が線が立っています。
そしてハイライトが抑えられているにも関わらずコントラストが高いです。
キヤノンの方は色収差が目立ちます。
色収差というのは要するに色の分離です。
エッジの部分で赤や青の色が分離しているのが見えます。
これがシャープさでライカに水をあけられているように見える要因でしょう。

と、こう書くとぜんぜん違うじゃないか、と思われるかもしれませんが、
そもそもレンズの値段が10倍も違います。

キャノン50遠景CANON EF-M 18-55 1:3.8-5.6 50mm側

ツァイス50遠景CARL ZEISS PLANAR 1:1.4/50

一見するとプラナーの方があっさりした描写です。
あと、プラナーの方が暗部の諧調を保っている感じです。

ef-mとplanar

中心部を抽出。
ZEISSがWEISSになっているところはおいときます。
色傾向とシャープさはそんなに変わらない感じです。
が、やっぱり色収差の出方が全く違います。
ツァイスのプラナーはグレーの部分をきれいに描写していますが、
キヤノンの方は分離してしまっています。
この違いは顕著で、
画像全体を見るとやはり線の繊細さが違って見えます。


近景

キャノン35近景CANON EF-M 18-55 1:3.8-5.6 35mm側

ライカ35近景LEITZ WETZLER SUMMICRON-R 1:2/35

EF-M 18-55とLEITZ SUMMICRONの比較。
正直あんまり変わらないです。
強いて言うなら、EF-Mの背景ボケは輪郭がはっきりしていて
ボケといえども結構主張している感じ。
ライカの方はすっと消え入るようなボケ。

まあ、これは良し悪しじゃなく好みの問題かな。

てか多分レンズ自体の大きさの問題とか、
絞りの開け方の問題だろうと思います。

キャノン50近景CANON EF-M 18-55 1:3.8-5.6 50mm側

ツァイス50近景CARL ZEISS PLANAR 1:1.4/50

これも似た様な傾向。
EF-Mの方は輪郭のあるちょっとがちゃがちゃしたボケ。
一方プラナーは本当に背景ににじんでとける様なボケ。
これも好みかと思うのですが、
被写体を引き立てるためにボケを生かすという意味なら
プラナーに軍配でしょうか。

まあね、この勝負そもそもEF-M 18-55はズームレンズなのだし、
価格帯もあまりに違いすぎるので比べるようなものではないんです。

むしろ、
セットレンズのEF-Mで十分じゃないかという印象です。

ちなみに、
ツァイスのレンズもライカのレンズも
AFはきかない上に実絞りでのピントあわせなので
本当にピントを合わせるのがつらい。
(※絞り込んでもモニターの映像が暗くなることは無く、
ちゃんと明るくなってくれる。が、それでも絞り込む程ピントの山は
分かりづらくなる)
というか、近接であわせるのは無茶に近い。

そしてこいつら重いからなおさらだ。

以上より、
単純に言って、高いレンズの方が良く写るというのは認めないといけないです。
けどこれをプリントするってんなら余程大きくするのでもない限り分からないレベル。

値段分の差はあるのかといわれると、
あるんじゃね? くらいの印象。

ライカとかツァイスとかのレンズは
あのレンズでしか描写できない何かがあるからあの値段なのです。
それってもうオカルトに近い何かです。
それに支払う対価なので、
まあ、ウチはぜんぜん惜しくないですけど?

でもセットレンズで十分すぎる性能かなって、
この実験をやって思ったしだいです。

PageTop

コメント


管理者にだけ表示を許可する